「超茶寿の会」というユカイな会がございます。
年齢の区切りに漢字を当てて、長寿を祝う言い方に、還暦、古希、喜寿、米寿などがありますが、それら
と同様、百八歳のことを茶寿と申します。この「超茶寿の会」は、百八歳を超えて楽しく、健康に過ごしましようという集まりなのです。会では健康と長寿に関する知恵や情報を交換し、語り合っています。
茶寿というめでたい年齢は単に茶の字のつくりから来るだけでなく、お茶の持つ効能の魅力が長寿に結ぴついてできたものと思われます。
茶の効能については、漠然と体に
よいという、昔から語り継がれた知識に加えて、現代では研究が進み、 また各種の臨床実験で証明された確とした効果がいくつも報告されています。昨年話題を呼んだのが、世界的権威のある英国の科学雑誌、ネイチャー6月号の記事でありました。
「なぜ緑茶を飲むとガンを抑止で きるのか」と題された、米国オハイオ医科大学と、トレド大学のグルー
プによる研究発表は、ガン細胞が増殖する時にその助けをするウロキナーゼなる酵素の活動を、緑茶に含まれるエピガ□カテキンガレートとい
う物質が阻止すると述べています。 しかもこのエピガロカテキンガレー トは、ウロキナーゼの既知の阻止剤
アミノライドのような毒性がないとのことで、緑茶に対する期待が、にわかに高まってきたようです。
O‐157が猛威をふるった、ここ2〜3年の夏には、茶の殺菌作用
が注目を集めました。これに先立っ て昭和大学医学部・島村忠勝教授 (細菌学)は、緑茶がコレラ菌を5〜6時間で殺すことを発見、センセーショナルな発表を行いました。
また平成8年には、国立静岡病院 の看護婦さんふたりが、お茶による清拭(せいしき=ふききよめる)によって、白癬症(水虫、たむしも含むただれ)
の患者さんを2週間で完璧に治したと岡山での学会で報告しています。(緑茶カテキンの凄い健康パワー 二見書房)
しかし、いずれにしても茶はあく までも茶。病気に対する特効薬では
ありませんから過信することなく予防の意識で日頃から緑茶に親しんでいくことだと、島村先生も言われています。
お茶に楽しく親しんでいただくアイデアを一部ご紹介しましょう。
もらいものの緑茶が飲みきれないという方は、すり鉢で茶葉をすり ヨーグルトやマヨネーズに入れて楽
しみましょう。また湯を沸かしたり 湯ざましをかけたりする時間の余裕のない方は、緑茶を水で煎れて(5〜6時間で色よく出ます)お試しください。湯で煎れるお茶は、アラが見えます。つまり上質の茶葉と下級の葉との味の差が湯では歴然と出るのです。食べたり水でいれたりす
ることにより、比較的抵抗感なく、 湯に溶けない滋養分も含めて体内にとり入れることができるのです。ただし、どの茶も早目にお使いください。
【「仙台っこ」 1998年6月 新緑号掲載】
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